賃労働と資本 (岩波文庫)

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 ■賃労働と資本 (岩波文庫)

賃労働と資本 (岩波文庫)
原著:Karl Marx 翻訳:長谷部 文雄 
岩波書店

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当商品の発売日:

1927-10


カスタマーレビュー:

購入者の平均評価: stars-5.gif

資本主義の根本的構造を解説するマルクスの最良入門書 評価: stars-5.gif
本書はマルクスの思想を理解する上で最もよい入門書である。
本書では、資本と労働者の関係を明晰に論じている。本書の内容には共産党という言葉は一切出てこない。ライン新聞に労働者向けのものとして書かれたものだが、率直に言って労働者が本書の内容を完全に理解できるとは考えにくい。しかし、間違いなく社会科学を研究するだけでなく、その他の学問を研究するときには是非とも読んでおくべき一冊であろう。本書は資本論の内容をギュッっと凝縮して(細かい点は省いて)あるので、資本論を読んだ後に本書を読むと「マルクスってすごい」という感慨を覚えるに違いない。
途中、p50で「生産費」の使い方を間違えている(単にコストという意味で使用している)が、これは労働者に理解させやくする為にわざとしたのだろう。本書の内容は以下の点に集約できる。
1労賃とは何か、それはいかにして決定されるのか
2資本とはなにか
3相対的剰余価値(序文)
4労働者は相対的に、そして絶対的に困窮する

これ以外にも細かい点として利潤率の傾向的低下(言葉は出ていないが結局は言及しているのと同じこと)などを明らかにし、植民地への帝国主義的進出に関する一定の説得的な説明を与えることも可能となる。
マルクスと聞いてソ連の・・・等を連想するのは偏見に過ぎない。彼の思考した国家(世界という言葉のほうが最終的には正しい)は、かような物ではなかった。あくまでレーニン(本当はマルクス的な世界を志向していたのだが)、スターリンがソ連を作ってしまったに過ぎないのだ。
現代はネオリベラリズムの台頭の中でマルクスが読み直されているが、いきなり資本論などを読む前に本書で概観を掴んでおく事を強く勧める。

今こそマルクスを読んでみる価値はあると思う 評価: stars-5.gif
ソ連がもはや歴史の存在でしかない私にとっては、マルクスといっても「ああ、ソ連は失敗したよね」ぐらいの印象しか抱いていなかった。
確かに社会主義は失敗に終わったが(といってもマルクスの考えた社会主義があのようなものだとは思えないが)、彼の資本主義分析は鋭い。

本書はもともとパンフレットであったもので薄く、それでいてマルクスのエッセンス、資本主義への分析は詰まっていると感じた。
乱暴にまとめるなら、賃金は労働力よりも割り引かれてしか支払われず、残りは資本家が搾取してしまう、ということだろう。
別に共産党だの社会主義だのは出てこない。

ただ、資本家を悪くいい労働者をかばうため、多少都合のいい論の気はした。(パンフレットだから仕方がないのかもしれないが)
絶対賃金と相対賃金、労働者全体の利益と労働者個人で見た利益となど、2種類の基準を労働者がもっとも搾取されていると見えるように用いている感じは受けた。

だが、資本主義分析としては、現在においても十分読む価値はある本だと思う。

いま、あえて若い世代に読むことを勧めたい。 評価: stars-5.gif
「賃労働と資本」はマルクス経済学あるいはマルクス哲学(唯物史観)を学ぶ上で、もっとも初歩的でありかつ、もっとも根幹的な本だと思う。いわゆる剰余価値なるものがいかなる方法、過程において生成されるものであるのか?資本主義経済の本質は何か?いま、あえて若い世代に読むことを勧めたい。

今も何も変わっていない 評価: stars-5.gif
本書で描かれる当時の構図と今のと基本は何も変わっていない。ただ,資本主義体制は転覆しかなかったんでなく,維持可能ないちいちの対策が発明され実行されて,続いているけど。
特にフリーターやアントレプレナーに読んで欲しい。自分がしてること,したいこと何をすることなのか,考える礎になる。私は自営業者へと転向してしまったが。
『世界をゆるがした10日間』とあわせて読むと,当時の思いを感じながら熱く読める。共産党は出てこない,他のどれより優れたマルクス入門書,資本主義批評。
とにかく薄くてわかりやすい。

客観的には間違っているが、主観的にはやはり「正しい」 評価: stars-5.gif
商品の価値がその生産に費やされた「労働力」により決まるというのが労働価値説である。これはアダム・スミス以来の古典派経済学の認識であり別にマルクス独自のものではない。現代の経済学では商品の価値は「市場」が決めるとされる。商品が千円の賃労働で生産されても、市場が五百円と評価すればこれが商品の価値になる。商品の価値は市場での需要と供給の自由競争によって決まるのである。供給側の立場しか知らず、価値の蓄積である資本までが「労働力」のみから成立するとするマルクスの認識は誤っている。反面、千円の賃労働による商品は、やはり市場でも千円の価値を持つと評価されたいというのが供給側の人情ではないか。マルクスの思想の本質は、無慈悲な市場原理に対して供給する労働者の立場を擁護した点にあると思う。客観的な学説としては誤っているかもしれないが、やはり市場経済の問題を指摘したマルクスの主観的な着眼点は、やはりある意味「正しい」のではないか。

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