ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)

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 ■ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)

ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)
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当商品の発売日:

2003-07-19


カスタマーレビュー:

購入者の平均評価: stars-5.gif

ちょっと難しい 評価: stars-5.gif
岩波ジュニア新書は高校生向けの平易な内容の新書だそうですが、
これはどうみても大人向けです。
2003年以降の高校生には敷居が高いのでは…?
昔の高校生はこの程度の本は読めていたのでしょうか。

「カテゴリーとは、述語として語られる存在の様々な意味を言う」
↑こういう文が当たり前のように出てきます。

ギリシアの思想とヘブライの宗教の入門書としては良い本 評価: stars-5.gif
一番簡単な思想入門は高校の倫理の教科書だと思いますがそれと併読するのにちょうど良い感じです。古代ギリシアを専門になさっている方だけあって古代史の部分は随分わかりやすいです。構成が独特で、三部構成となっており、一部がギリシア思想、第二部がヘブライ信仰、第三部がその他。ページの量もほぼ1/3ずつなので、第三部は中世のアウグスティヌスから現代のレレヴィナスまでかなり駆け足で書かれてある印象を受けますが、その分、ジュニア新書にもかかわらず古代思想に関しては、けっこう突っ込んだ話題にも触れています。近代、現代の哲学者たちもギリシアやヘブライの思想家たちの学説をひきずっていたりするわけで、そういう意味でも特異な入門書として良い本だと思います。誤解を受けやすい哲学概念の一つであるイデアについての説明もアリストテレスの思想と比較することで、「徳の本質」「認識の成立根拠」「存在者の存在構造」という3つの視点を浮き彫りにしてわかりやすく解説しています。政治思想とのかかわりで哲学が語られることが多いので政治的な問題に興味のある高校生にも良いかも知れません。(ただし、日米関係といった具体的な話題ではなく自由や正義といった抽象的なレベルの話題ですが…)

問題点としては、ひとつは、せっかく西洋思想の源流であるギリシアやヘブライについてわかりやすく書いてあるのだから、それがデカルトなどの近代哲学にどう繋がるのかもう少し詳しくか書いてほしかった。入門書なので無理に薄くしようとしているようですが、英語圏で出版されている思想書は入門書こそぶあつく丁寧に書いてありますし、実際薄くてメモ的に書いてある本より、そっちの方が読みやすいと思うんですが…もうひとつの問題点は、ジュニア新書で出版するならば近代史のフランス革命の評価などは、いくつかの有力な説を併記するような配慮がほしかったです。ジュニア新書ということなので、高校生がこういう、良くも悪くも教科書的な本を目安にしながら、文庫化されている有名な古典を読み漁っていくのも悪くないと思います。

得るものはありますが、、、 評価: stars-5.gif
ヨーロッパ思想がギリシャの思想とヘブライの信仰にあるということから始まります。この二つのテーマのために第一部・第二部とかなりのページが割かれていますが、内容的には実に教科書的でこじんまりとまとまってしまっているので、読んでいても面白くないです。これらの2大テーマに関しては他にいろいろと名著があるので、ここでは飛ばし読みでいいのではないでしょうか。

一方、第三部は、作者の個人的偏見も含めて、かなり良く書かれていると思います。デカルト・カント・ハイデカーなどのヨーロッパ現代思想を理解する上で不可避な哲学者達の思想をわかりやすい日本語で説明されています。書かれた内容への賛否はともかく、ヨーロッパ思想への取っ掛かりとしてはよいのではないでしょうか。

全体の評価としては、大変よくまとまっているとは思いますが、読み物としては面白くないです。やっぱり教科書ですね、これは。

ところで「ヨーロッパ思想」=「ヨーロッパ哲学」なのでしょうか?それでは、一般的なヨーロッパ人の言動に直接または間接的にリンクする思想・文化とは何なのでしょう?

古典書評は語り手を選択する 評価: stars-5.gif
 古典の書評をすることは困難な側面をもつ。古典の内容は一定のものとして固定されており、その内容を批評するとしても、その批評は他の古典によって即座に反駁されるという事態が生じるからである。従って、古典の内容の批評は結局のところ好悪を語ることになる。それに対して、まだ評価の定まっていない新作の場合にはその書の内容を批評することが可能になる。新作は書評されることによって、その書物の真価が問われ、真に内容をもったものであるかどうかが確定されるからである。だから書評というものは新作にふさわしい。古典の書評は内容紹介に終わることになる。あるいは自分の感激を語りたいときになされる。それ以外は義務からなされることが多いように思われる。この点からみると、なぜ古典に関して書評があまり書かれないかが理解される。
 そこで、古典関連の書評が成立するのは、次の二つの場合に限定される場合が多いように思われる。一つは古典の新しい解釈が登場したとき。もう一つは新たな翻訳がなされたときである。
 こう考えたとき、イリアスについて私は何を語ることができるか、心もとない。また、本書に関しても。

良くも悪くも「教科書的」 評価: stars-5.gif
軸となっているのは、ギリシア思想とヘブライ信仰が、ヨーロッパ思想の源泉である、ということです。そのため本書の構成は、第1部でギリシアの思想を取り上げ、第2部ではヘブライの信仰を、そして第3部でそれらの影響下にあるヨーロッパ哲学を説明しています。

各思想の要約としては、分かりやすいのかもしれません。ギリシア思想とヘブライ信仰ではどのような考え方が中心となっているのか、ということを、哲学的知識をもたない人でも分かるように丁寧に解説しています。第3部のヨーロッパ思想の部分でも、主要な哲学者の論をまとめています。あるていど網羅的で、専門用語はほとんどないという意味で、「教科書的」なよい入門書かもしれません。

ただ、私にとってはマイナスの意味で「教科書的」な本でもありました。思想の内容が羅列されることが多く、それらがどういう起原や由来をもち、後の思想にどのようにつながっていくのか、というつながりを感じることができませんでした。たとえば、もっとも大きなテーマでいえば、ギリシア思想とヘブライ信仰が、ヨーロッパ哲学に対して具体的にどのような影響を与えたのか、ということが私にはいまいち分かりませんでした。

入門書という枠があって、細かい部分に触れることができないために、羅列的にならざるを得ないこともあるかと思います。しかし、私は思想の流れを、本書に期待したために、読後はなんとなくすっきりしませんでした。よい意味でも悪い意味でも「教科書的」な本というのが、私の本書の印象です。

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