きみの友だち (新潮文庫 し 43-12)

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 ■きみの友だち (新潮文庫 し 43-12)

きみの友だち (新潮文庫 し 43-12)
新潮社

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当商品の発売日:

2008-06-30


カスタマーレビュー:

購入者の平均評価: stars-5.gif

知り合い?友達?親友?それとも・・・ 評価: stars-5.gif
 単純な二元論は好きではないのだけれど「大勢の友達と一人の親友どちらが欲しい?」という質問に答えるならば,私は一人の親友と答える(言わずもがな,親友がいて,その上で大勢の友達がいるにこしたことはないのだけれど・・・).
 知り合い,友達,親友.これらに明確な境界はない.特に親友は難しい.言いたいことを言えるのが親友,という意見もあれば,親友だからこそ相手を大切に思いやり,関係が壊れないように言葉を選ぶという考え方もあるだろう.
 また,親友を作るのは年少の方が容易だ.年を重ねるごとにプライド,異性,周囲の目など様々な阻害要因が多くなり,作るのが困難になる.私も今後仲の良い友達は兎も角,親友はもう出来ないだろうと考えている.
 混沌としたレビューになってしまったが私の言いたいことは「多くの人にこの本を読んでもらいたい」つまりはそういう事だ.

「友だち」を作るには・・・ 評価: stars-5.gif
思春期の「友だち」を扱った連作短編集です。

10編目の最後の短編「きみの友だち」は、ヒロイン恵美の結婚式のシーンです。
ここに集うのは、ヒロインと何らかの関係のあった人たちです。
この中に「友だち」はいるのでしょうか?
ところで、「友だち」って何でしょうか?
一般的に言えば、ここに集まった人たちの中で「友だち」と言えるのは、死んでしまって写真での参加になった由香くらいでしょう。

この短編集の中には、様々な「友だち」らしきものが出てきます。そして、その裏返しとしての仲間はずれも出てきます。
衆を頼む関係や、敵を作りたくない八方美人もいます。
そうした中で、ヒロインの恵美は孤高を保ちます。由香との関係だけをしっかりと確立して行きます。彼女の言動からすると、あたかも「親友」と言えるレベルまで関係を高めるべく努力している感じがします。それは、彼女が、「友だち」とか「親友」という言葉を安易に使うのをいやがることからも解ります。ただ、その人その人によって、定義は違って良いのだと言う風にも考えているようです。

ラストの結婚式に招待した人たちの大半の人が、彼女の思春期の一時期に交差した人たちです。でも、そうした僅かな接点であっても、その時期によっては重要な関係を持つことになります。つまり、「友だち」関係に期間は関係ないと言うことでしょう。逆に言えば、いくら長く集っていても、薄い関係は「友だち」とは言えないと言うことでしょう。

現代社会にあっては、互いが競争関係にあり、この本のブンとモトのような関係はなかなか作りにくいし、長続きさせることも難しいかも知れません。
でも、ちょっとした考え方や気の使い方で、「友だち」と言える良い関係が作り得ますよと言っているようです。

優しくて、どこか切ない 評価: stars-5.gif
子どもの頃、学校という小さな社会の中で誰もが感じたことであろうことや場面。
大人になってしまえばなんてことのないことが、友だちとの関係が、子どもの頃は一大事で、戦いで、それが全てだったことを思い出しました。
何が正しいとも間違ってるとも言わない、ただどんな場面でも、作者の視点からはあたたかくて優しい。
押しつけがましさもなく、どこか見守るような文章はスッと入り込んできて、自然と切なくなりました。
誰もがこの作品の中で、子どもの頃の自分に出会えると思います。
久し振りに本当に良い作品に出会えました。

人間に対する温かいまなざし 評価: stars-5.gif
恵美とその弟ブンをとりまく様々な人間関係を、時間と視点を変えて綴られた作品。
普通は、スポットのあたらないであろう舞台の端にいる人物にも、繊細で温かいまなざしを向けて書かれています。

みんなには好かれていないかもしれない.....
上手く生きられない...
何をやってもうまくいかない.....
いつもいい人ではいられない.....
八方美人....

それでも、いいんだよ。
生きていて、存在していてもいいんだよ。

そんな温かいメッセージを受け取ることができます。

読み出したら止まらなくて、タオルを涙でびしょびしょにしながら一晩で読んでしまいました。

人の気持ちがわかる作家 評価: stars-5.gif
小説新潮に連載しているときに、何篇かは読んでいた。
著者お得意の、小中学生を主人公とした物語で、「わかるわかる」と思ってしまう。
この作品だけでなく、「日曜日の夕刊」とか「きよしこ」とかでも感じることだけれど、重松清という人は、「寂しさ」「ちょっとした悲しい気分」を描写するのがすばらしく上手い人だと思う。そういう経験を実際にしているから描けるのだろう。
タイトルが「〜友達」でなく、「〜友だち」なのも共感できる。「友達」って、何かよそよそしい。

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