■志の輔らくご 両耳のやけど7
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| 然し、人物描写、心理描写が巧い 評価: |
| 「紺屋高尾」は、圓生の得意ネタでこれは右に出る物が居ないと言って過言では無い。二番目が師匠の談志の「高尾」で、三番目がこの志の輔である。正直言って、聴いて驚きを隠せなかった。吉原で一晩過ごした翌朝、高尾に自分が紺屋の職人に過ぎないと白状し、また、高尾が素直にそれを受け入れる場面は、職人の実直・誠実さをこれでもかと演じ、それに胸を打たれ、感激する高尾を物の見事に演じ出している。志の輔が、噺の中でも言っている通り、起きている事は、往年の「吉永小百合」が、下町の店も持たない染物職人に、嫁ぐ決心をしようと言う場面である。この場面は、円楽等が演じると、ともすると滑稽になってしまい、噺全体を壊してしまうのだが、志の輔は変な脚色はせず、真正面から見事に演じきっている。志の輔がこの場面に、この噺の全てを賭け、自分の持てる限りの技を全て出し尽くしている。これは、志の輔が、本当にこの噺を理解し、初めて成せる物である。程良いクスグリを前半に織り込む事で、適度な笑いを取り、後半を全精力で乗切る事で、実に巧く、この噺を真の人情噺に仕上げている。実に素晴しい口演である。志の輔ファンには、必携ともいえる1枚である。 |
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