にごりえ

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 ■にごりえ

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カスタマーレビュー:

購入者の平均評価: stars-5.gif

いとしいとしというこころ 評価: stars-5.gif
表題作の「にごりえ」が注目されがちだが、現在ではもう描かれることはないだろう形の戀を、余韻を残して表現した「十三夜」が秀逸。
身分違いの結婚をした娘、彼女に華族様の良き妻であることのみを要求する父親、娘に同情しつつ何も出来ない母親、不穏な空気だけを感じ取っている弟。こう書いてしまえば現代でも十分ありそうな感じだが、この明治時代に彼らを縛っていた目に見えない何かは、もう私たちの時代には残っていないのだ。
思いがけず初恋の人との再会を果した夜は、ただ息子のためだけに死んだまま生きることを選択した夜でもあった。一緒に月の下を歩いたこの夜を最後に、彼らの人生が交わることは今後一切ないのだろう。忍耐するが故の儚さ、切実さ、美しさをこの映画に見ることができる。
しかし録之助役の芥川比呂志は第一声でただの車夫ではないことが分かる。さすがと言うべきなのだろうか。

濁り江 評価: stars-5.gif
一葉の原作タイトルでもある「にごりえ」とは、どんより濁った色調の絵、と思っていたが、そうじゃない、汚くよどんだ水場「江」のことなんですね。映はたしかに漆黒の「江」が一方の舞台。黒みの強い、漆を塗り込んだようなモノクロ画面、夫婦役の杉村春子と宮口精二の演技もいいが、やはり文学座一統を屁とも思わぬふぜいの淡島千景の艶のある名演が忘れがたい映画です。この映画の公開年、キネマ旬報だったかブルーリボンだったか、この映画が第一位で、二位が小津の「東京物語」、三位が黒沢の「七人の侍」じゃなかったっけ。納得です。日本映画にも「凄い持代」があったのです、。ところで今年の日本アカデミー賞の作品賞、高校映研の少年が作ったような「半落ち」が作品賞だと。笑っちゃうね。

文学座総出演の一葉作品 評価: stars-5.gif
樋口一葉作の「十三夜」「おおつごもり」「にごりえ」の三作のオムニバス。
文学座座員総出演の映画で、みな演技がしっかりしてます。
一葉の流れるような文体の長台詞をすらすらと話すのもさすが舞台役者です。
でも、演技過剰というか、劇場中継を見ているみたいでした。

映画出演が多い杉村春子は、さすがに心得ていましたが。光っていたのは客演の淡島千景。
「三代伝わっての出来損ない」と卑下して自暴自棄になる酌婦・お力を上手く演じています。
酒をあおり、客にくだを巻きながらしなだれる様子は何とも色気があった。
いかにも文学座らしい、一葉の原作を真正直に映画化した作品


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