■鉄道唱歌
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| 「大日本帝国」と「帝都東京」の風景 評価: |
| 「鉄道唱歌」は正式には「地理教育鉄道唱歌」といい、鉄道路線をたどる事で周辺地理の教育を行うことを目的として1900年につくられたものです。その為歌詞には数多の地名のほか現地の名産や古跡について言及があり、地理・歴史の教育には最適な上、歌詞そのものが極めて秀逸であるため昔から多くの人に親しまれてきた曲です。このCDに収録されているのは5つある鉄道唱歌のうちの「東海道編」と「関西・参宮・南海編」の2つで、それに加えて東京市内の様子を描いた「電車唱歌」(1905年)も収録されています。それぞれ50番を超える長大なものですが、省略なしで吹き込まれています。歌詞カードつき。 また地理歴史の教育のみならず、つくられたのが日清・日露戦争の頃ですから当時の時代背景が如実に反映された歌詞も随所にあります。例えば「鉄道唱歌 東海道編」では「横須賀」に触れた箇所で「わが軍艦の壮大」という記述があり、「電車唱歌」では「左に見ゆる建物は大審院よ司法省 なおもつづける海軍省」といった歌詞があるなど、かつての「大日本帝国」や「帝都東京」の姿を垣間見ることが出来ます。現代の「日本国」と「首都東京」と比較するのも面白いでしょう。 このように今聴いても歴史的にも地理的にも興味深い歌であり、これを省略なしで収録した功績は素晴らしいものです。 ただ多少難を言わせてもらえば、50番以上ある歌詞を一纏まりで収録しているため、曲の途中から聴くことが出来ません。それ故後半の歌詞を聴きたい場合、多少不便を感じます。それともうひとついえば歌詞カードについている解説が貧弱すぎます。有名な曲なのですから、もう少し充実して欲しかったです。とはいえ、「鉄道唱歌」も「電車唱歌」もウェブ上に情報が揃ってますからそれほど不便することもないでしょう。 総じて歴史・地理が好きな人、或いは戦前日本の風景に興味のある人は買いといったところ。それと最後に行っておくと、「鉄道」とはついていますが車両など鉄道そのものに関わる描写がゼロに近いのでそれだけは注意です。 |
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