死神の谷/フリッツ・ラング監督作品

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 ■死神の谷/フリッツ・ラング監督作品

死神の谷/フリッツ・ラング監督作品
WHDジャパン

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カスタマーレビュー:

購入者の平均評価: stars-5.gif

発売してくれたことに感謝を… 評価: stars-5.gif
先ずはこの作品をこの価格で発売してくれた人と会社(WHD)に感謝であります。
凡百のDVDメーカーなら…世界名作なんたらとか、サイレント名作かんたらとかの冠を乗っけて5千円とか…もしかすると一万円はぼったくるに違いありません。
普段は巨大鼠がど〜したとかゾンビがこ〜したとかの楽しい(?)映画を出してる会社なんでそっち(どっちだ?)の方面のマニアには違和感があるやも知れませんが流石にラング…見所満載であります。

サイレントの名作に興味がある人…フリッツ・ラングのファン…落語の死神が好きな人…WHDさんが出しているそっち系(だからどっちだよ?)の作品が好きな人…このソフトは迷わず買いですよ。

状態が悪すぎる。何もかもがだ。 評価: stars-5.gif
予想していた以上に画質が悪い。動作不良もよく起こる。
廉価版(というほど安くもないが)である以上しかたのないことではある。しかし、画質以上に問題なのは、画面の左端が大きく切られていることにある。

紀伊国屋書店版「メトロポリス クリティカルエディション」の特典映像において、本作のいくつかのシーン(あまりの画質の良さに驚嘆させられる)を見ることが出来る。それにより両者の画面構成の違いを明確に判別できる。WHDジャパン版では、画面左側にある被写体は中途半端に途切れ、画面の重心も当然左にずれている。一つ一つのシーンをきちんと見ていれば画面構成のおかしさに気づくだろう。画面の横幅が狭く、正方形に近くなってしまっているのはそれが原因である。
このDVDは、フリッツ・ラングが意図した端正で美しい画面構成を崩し、破壊している。

サイレントフィルムに無理にサウンドトラックを埋め込むと画面の左端が潰れてしまう。おそらくどこかの過程でそのように改変させられた歴史がこのコピーフィルムにはあるのだろう。
このようなことはけして珍しいことではない。コレクターやある種の団体がコピーフィルムを手に入れて勝手に改変するということがたびたびあったらしい。そしてさらにそれらはコピーを重ね、人から人の手へと渡ってゆく。そのようなフィルムが今、日本でソフト化されるという愚かな事実。コピーの繰り返しによる画質の劣化、画面の改竄、シーンの欠如など、無惨な状態で我々の手へと渡るのだ。

「死神の谷」という邦題も納得いかない。なぜ中途半端に変えるのだろうか?広く知られている通りに「死滅の谷」にするか、原題にこだわるのならば、そのまま訳せば良い。
非常に残念な出来のDVDだ。

幻想的で美しい映像と20世紀初頭のアジア感 評価: stars-5.gif
谷にある村に高い塀の居場所を築いた死神。この死神に婚約者を連れて行かれた女性が彼を捜し求めて死神と対峙するというストーリー。前半の死神の築いた塀の前に訪れる死者の群れや、ローソクの間で死神と向き合う主人公の女性シーンは幻想的で美しい。「メトロポリス」でアバンギャルドな映像を打ち出したフリッツ・ラング監督がこの作品では幻想的な映像に誘ってくれる。
死神と主人公の女性の思いに絡めて展開する愛と死という永遠のテーマを表す3つの冒険(オムニバス的な作風)は古典的な悲劇(ある種シェークスピア的なあるいはギリシャ神話的な)ではあるものの、そこに現れる人々の前向きな生き様は主人公の婚約者に対する思いを完全に表現する。
そして、死神の与えた最後の試練は永遠のテーマであり、どの映画作家も追及するテーマでもあるが、これだけ直接的に観る者に突き付ける作品はない。

この作品のもう一つの面白さは、サイレント時代の貴重な作品であるだけではなく、20世紀初頭のヨーロッパのアジアに対する見方が実感できるところ。3つの冒険はアラブ、イタリア、中国で展開されるが、特に中国の描き方(中国人をドイツ人が演じているところも面白いが)は中東とアジアの混在する世界になっているところは当時のヨーロッパから見た不可思議な東の世界がはっきり現れていて面白い。フリッツ・ラングもサイレント時代の作品としては「メトロポリス」とならぶ衝撃的な作品であることは間違いない。

ところで、このDVDで観る限り映し出される映像が正方形であるところが不思議だ。フィルム映像を観たことがないのでわからないが、何故この形なのだろうか?

哲学的な筋書きと浪漫派の画面 評価: stars-5.gif
Tod (死神)は、中世ヨーロッパにおいては、実生活と密着した考えだった。戦争や病気で死は常に身近にあり、一般市民にとっては抑圧以外の何ものでもないカトリックも重しとなっていた。この映画が作られた当時(90年近く前)では、そのような背景が未だ残っていたことだろう。このように、ゴシックの「死生観」に立った哲学的な筋書きがすばらしい。他方、映像は「メトロポリス」のフリッツ・ランゲが完成させたドイツ浪漫派で、プンクトリッヒな画面構成と相合わさって、完璧なものとなっている。時代背景には奥行きがあり、ベネチア、バクダッド、中国へと広がりを見せる。今日でも色あせない名画だ。

独逸浪漫派の伝統でしょうか! 評価: stars-5.gif
 『グリム童話』にあり、我が国の落語「死神」(これはシルクロード・中国さらには韓国を
経由して届いた説話)にもある設定を根幹として、異国への「憧憬」をラングが心ゆくまで
楽しみながら創作しています。
 ただし「俊徳丸とハインリツヒ」(いわゆる比較演劇あるいは文学・文化論における「血の
伝承」)を肯定するわけではありません。むしろ、その逆説になる映画だと存じます。

 『聖書』の一節が「キーワード」となることも、ノヴァーリス著『基督教社会あるいは欧羅
巴』の言辞を彷彿とさせます。E・T・A・ホフマンの著作の叙情的怪異譚もだぶってきます。
 映像も、現代のSFXと比べても見劣りがしません。いうなれば、古いがゆえに新鮮な感覚。
また、最初に登場する役者たちも扮装を変えつつ、登場するという演出も巧妙です。
 「メトロポリス」も確かにすごい作品ですが、私は、こちらのほうが、さらに素晴らしいと
感じました。それが、この値段、手に入れてじっくり観なければ「損」だと存じます。


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